韓国映画『トンケの蒼い空』感想(2003/101分)
監督: クァク・ギョンテク
出演: チョン・ウソン、キム・ガプス、オム・ジウォン、キム・ジョンテ 他
韓国版を鑑賞
<あらすじ>
釜山の北にある町・蜜陽(ミリャン)。
チョルミン(チョン・ウソン)は早くに母を亡くし、刑事の父親(キム・ガプス)と二人で暮らしてきた。
生まれつきすこし頭の回転が遅い彼は、幼いころ近所を回って食べ物をもらっていたことから「トンケ(糞犬、だめ犬といった意味)」とあだ名で呼ばれるが本人は気にする様子も無い。
ある事件による高校中退後、成人となり特に目標も無くぶらぶら生きているトンケだが、めっぽうつよい喧嘩を通じて出来た仲間たちと廃車工場で仕事をするようになる。そのころ父親が面倒を見ると連れてきた元不良娘ジョンエ(オム・ジウォン)と3人で暮らすようになり、トンケの日常は少しずつだが変化していく。
<感想>
田舎の純朴な青年のお話。
クァク・ギョンテク監督なだけにチンピラ格闘シーンは出てくるけど控えめ。
舞台は『シークレットサンシャイン』でも舞台となった慶尚南道の田舎町・密陽。
高速道路開発に伴う不正事件が鍵となってストーリーが動いていくんだけど、密陽という町がこういう風にとりあげられるのはなにか理由があるんだろうか? (そういえば最近、原発からの送電塔の住民補償問題でグダグダの大騒ぎになってるね。)
クァク・ギョンテク監督は『チング』『チング2』で有名なように、慶尚道で撮るのががすきなんだろうね。
最近はチョン・ウソンもさすがに年を隠せなくなってきてるけど、このとき(30歳くらい)は高校生役でもそれほど違和感が無いのはすごい。顔と体がつるっつる。
逆に言うと、綺麗過ぎておつむの足りない役がちょっと違和感。頑張ってるけどね。
慶尚道なまりも頑張ってるけど、もう一つという感じは否めない。まあ、彼はたたずまいで見せるスターだから(爆)
そんな彼が、ブリーフいっちょうで、キム・ジョンテとくんずほぐれつするシーン(意味深)は女性ファンにとってはたまらない・・・のかな?
おもわず「UFCかよ!」ってつっこんじゃったよ。
そしてオム・ジウォンが得意のツンデレ。うんやっぱり綺麗。
!!!注意 これ以降ネタバレ有り!!!
とりとめのない話なんだけど、父子のきずなの部分はそれなりにぐっと来る。
序盤の目玉焼きのくだりは楽しかった、美味しそうだった。
「夜明け前の田舎の橋の上を歩く二人」というラストシーンの雰囲気がよかった。
ジョンエとうまくいくのか、田舎を去るのか、おぼろげに光が差す将来はまだよくわからないけど、トンケはいつまでもトンケのままでいてほしい。そんな気持ちになる。
あ、密陽ってそんなイメージにあう町なのかもしれないね。
★★★☆☆