韓国映画『海霧』感想

韓国映画『海霧』（2014、111分）
監督：シム・ソンボ
出演：キム・ユンシク、パク・ユチョン、ハン・イェリ、イ・ヒジュン　他

＜あらすじ＞

1998年IMF体制のもと経済の立て直しを図る韓国。南部にある港町麗水（ヨス）で漁船の船長をしている船長は、不漁続きのなか船と５人の船員の生活を守るために、中国から韓国への密入国の手伝いをすることを決める。
真っ暗な海上で乗り移ってきたのは大勢の朝鮮族の人々。
海洋警察の抜き打ち検査を受けるために魚槽に一時密入国者たちを隠すが・・・



＜感想＞

アイドルグループJYJのメンバー、パクユチョンの映画初出演作。
といってもアイドル映画ではなく、密入国を助けることになった漁船のなかで起こる凄惨な事件を描く。
船長の船に対する執着が話の軸になるんだけど、そこまで執着するに至るエピソードがないのでちょいと説得力不足かな。豚骨ハンマーを魚搔き？に持ち替えたキム・ユンシクは相変わらず凄い迫力だったけどね。

朝鮮族ホンメイ役のハン・イェリはなかなかの好演。

ホンメイが「兄がいるから」と目指すソウルの九老３洞（地下鉄デリム駅）のあたりは朝鮮族や華僑（このふたつは境が曖昧になってきているらしい）が集まって暮らす地域がある。 韓国ー中国間の事情を背景にしたオススメ映画としては 『ダンサーの純情』、『哀しい獣』、『新しき世界』　などがあるので興味がある方はぜひ。

余談だけどユチョンが所属するグループJYJは、東方神起から分裂したグループ。かなりの人気があるにもかかわらず東方神起が所属する事務所SMエンタ側の圧力で地上波の歌番組には未だに出演できないそう。

ということでJYJのメンバー３人はそれぞれドラマ、ミュージカルなどの俳優業にシフトしようとしてる。ユチョンが映画デビュー作でそこそこチャレンジングな役を選んだのもそういった事情があるのかもね。

誠実な人柄だそうで演技を磨いて頑張ってもらいたい。



★★★☆☆



トレイラー動画
http://youtu.be/VVM3TsxoqIc