韓国映画『감시자들/監視者たち』(2013/119分)
監督： チョ・ウィソク、キム・ビョンソ
出演： ソル・ギョング、チョン・ウソン、ハン・ヒョジュ 他
日本も買い付け済みらしいので、ネタバレなしで。
＜あらすじ＞
犯罪者の監視のみを専門に行う警察内の秘密組織「監視班」。新たに配属された新人ウンジュ（ハン・ヒョジュ）は、視界に入ったものを記憶する優れた能力を買われ現場チームに合流する。
現場チームのリーダー・ファン班長（ソル・ギョング）のもと、ある犯罪組織の手がかりをつかむが、その組織の実行班を束ねる冷酷なジェイムス（チョン・ウソン）はなかなかその正体を現さない。
＜感想＞
なかなかスリリングなアクション・サスペンス。
視界の隅の記憶、情報の断片から犯罪者を追い詰める過程を見事に描いている。
観察力と記憶力をたよりに犯罪者の「監視のみ」を行う組織という設定が面白い。
犯罪組織の銀行強盗とファン班長によるウンジュの配属テストが交互する冒頭のシーンは、その後の伏線も組み入れられ見ごたえたっぷりでぐいぐい引き込まれる。
なぜ「監視のみ」行うのかという部分は説明はされるのものの、もう一押し説得力のある設定がほしかった。
ソル・ギョングももうすっかりリーダー役が板についてきたね。硬軟織り交ぜた演技はさすが。
途中で彼の目線でビルから飛び降りる一発撮りのシーンがあるんだけど、ほんとに飛び降りたのかなぁ。
人柄の良さと真摯な姿勢が評価されてか最近キャスティングが続くハン・ヒョジュ。彼女崩れた役をしてもどうしてもまじめさが出ちゃって乗り切れない部分があるんだけど、本作では能力はあるけどまだ不安定な新人というぴったりの役どころで、とてもよかった。なにげにセクシー？なシーンも。
ウンジュのコードネームであるコッテジ（花ブタ）は韓国でかわいい赤ちゃんに対して使う言葉。うん可愛いよ・・・はっきり言おう。好きです！
好きといえば『ビート』『太陽は無い』からかれこれ15年以上ファンのチョン・ウソンが、初の悪役に挑戦。
もう一人の姿を見せない「監視者」であるジェイムスのスマートさと凶暴さがうまく表現されて、これまでにない魅力を見せてくれた。
中盤の組織のアジトでのアクションは必見。あいかわらずかっこいいなぁ。
ラストにもう一ひねり欲しかったけど、２時間緊張感を途切れさせなかったのは見事。
★★★★☆