韓国映画『群盗:民乱の時代』(2014、137分)
監督:ユン・ジョンビン
出演:ハ・ジョンウ、カン・ドンウォン、イ・ギョンヨン、イ・ソンミン、チョ・ジヌン、マ・ドンソク、ユン・ジヘ、チュ・ジンモ、キム・ジェヨン 他
<あらすじ>
李氏朝鮮の時代1862年、飢饉と暴政により民心は荒れ、食いっぱぐれた民衆はのたれじぬか野盗になるかしかなかった。
白丁のトルムチは屠殺が生業。ある日いつも肉を入れている両班家の跡取りから「不義を行って逃げた」という女の密殺を命じられる。憐憫にためらい密殺に失敗した彼は家族を殺され自身も処刑されそうになる。寸前彼を助けたのは有名な義賊の一団であった。
<感想>
『犯罪との戦争(邦題:悪いやつら)』で世間をあっといわせた若手ユン・ジョンビン監督が武侠映画に挑戦ということで、男くさいキャストがズラリ。
自身の監督作でもユン監督と組んでいるヒット請負人ハ・ジョンウが時代劇に初主演。劇中18~20才で日本の歳なら16~18才という設定は大丈夫なのかという疑問はさておき、被差別階級のちょっと足りない青年が家族を殺され、仲間を得て成長する過程をなかなか上手く表現している。武器は打たれづよさと双刀の肉包丁。
野盗団の頭目にイ・ソンミン、武器はカリスマとなぎなた風の刀。
右腕の僧侶にイ・ギョンヨン、武器は知略と仕込み杖
インテリタイプにチョ・ジンウン、武器は貴族風の振る舞いと口のうまさ。
パワータイプにマ・ドンソク、武器は鎖鉄球。
スピードタイプにキム・ジェヨン、武器は敏捷さと短刀。
東洋美人のユン・ジヘ、武器は弓。
皆さんさすがのくどさで殺陣もかっこいい。
敵対するのは冷酷な当代一の長刀使いカン・ドンウォン。なかなかの残虐さで終盤の殺戮シーンではほんとにいやなやつに見えてきた。
ハ・ジョンウとの戦いもいいけど、一番しびれたのはイ・ソンミンとの長物対決。必見!
まあ、これだけ見せてくれれば十分楽しめたといえるけど、圧政に立ち向かうという部分をいまいちうまく消化しきれていなかったかもしれない。中国武侠より(グリーンディスティニーとか)にファンタジックに行くか、より残酷により暑苦しく行くか、どっちかに振れたほうがより楽しめたかもしれない。
ふっきりが足りないのでマカロニウェスタン風?の音楽がいまいち合っていないと感じた。
★★★☆☆
監督が語る群盗のキャラクターたち(韓国語)
http://www.cine21.com/news/view/mag_id/77053
トレイラー動画
군도 : 민란의 시대 캐릭터 예고편 KUNDO : Age of the Rampant Character Trailer (2014) HD
http://youtu.be/JUqfr7E9TGQ